平成12年度第2学期試験
(科目
コミュニケーション概論
)
(担当
松尾太加志
)
持込可 60分
T.
次の各文にもっとも関連が深いと思われる用語を書きなさい。
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エラーを防止する設計のひとつで,手順通り行なわれないと動作しないようにする。
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集団極化が生じる理由を説明する理論のひとつで,外集団と内集団の規範が明瞭になるように集団の意見が収束するという考え方。
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ある機器に対する知識といった認知的能力がなくても使えるようにするという考え方。
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人間の関わりのレベルで同じ場所にいるという段階。
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メニュー形式のHCIだと,次のメニュー項目がどのようなものが出るのかわからないため,全体が見えてこないが,この方式では,全体の構造もわかりやすい。
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外的に表象化されている情報を利用することが問題解決には有効であるという理論。
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機器がどのようなしくみで働いているのかを知らなくても,やりたいことを伝えれば,機械のほうで勝手にやってくれるようになっているシステム。
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インターネット中毒に代表されるように,機械親和性が高く,機械にのめりこんでしまう。
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対面の場合,相手が何に注目しているのかは自然にわかる。
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対面のコミュニケーションがもっとも優れているという考え方を揶揄するときに言われる。
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機器を利用するときに,機器のしくみについて,利用者なりに頭の中に描いている。
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機器を操作するときなどは,いくつかの段階の処理に分かれていて,それを順番にこなしていくことだと考えればうまくできる。
U.
下の文章は,CMCにおける制約の解放について書かれた文章である。下線を引いた部分が,何の制約を解放しているのか,解答欄に書きなさい。
働きながら大学に学ぶ者にとっては,電子メールはとても便利である。先生に卒論の指導を受けるのに,研究室まで出向かなくても,メールで1)卒論の原稿を送れば,返信で指導をしていただける。しかも,電話のように,先生が研究室におられるかどうかを気にする必要がない。2)データ分析のとき,やり方がどうしてもわからなかったので,データをメールで送ったら,データ処理をしてくださってグラフにした形で送っていただいた。3)さすがに,このときばかりは,ちゃんと出向いて分析のやり方を教えていただいて自分ですべきだったと反省している。進路のことで相談事があったときも,最初は面と向かって相談しにくかったことも,最初メールで先生に話すことができて,4)その後は先生に直接お会いして相談に乗っていただいた。
重度の障害を持った友人は,もっと電子メールの有用性を享受している。外出が大変なだけではなく,手書きもできなければ,しゃべるのもなかなか意思伝達が難しい。私も,メールで先生の指導を受けているわけで,そういう意味では,メールを使うことによって,健常者とまったく同じ環境なのだということに気がついた。5)彼を通じて,いろいろな障害者とメールでのやりとりをするようになったが,今まで抱いていた障害者に対するイメージが変わったような気がする。6)
V.
次の設問に90字以内で解答しなさい。
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インタフェースの設計において,なぜ,「温かい認知」の考え方が必要なのか説明しなさい。
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フレーミングの生じる原因のうち,社会的手がかりのなさの要因について説明しなさい。