平成9年度第2学期試験 (科目  コミュニケーション概論 )  (担当  松尾太加志 )  持込可 60分

下記の文章中の(   )内に適切な語句または人名を書き入れなさい。ただし,同じ番号には同じことばが入るものとする。さらに,下線部1〜5について,後の設問に答えなさい(いずれも解答欄に記入)。

 メディアコミュニケーションは,対面コミュニケーションと比較すると,( 1 ),距離,時間がそれぞれ拡大したものである。これは,見方を変えると,( 2 )コミュニケーションの持っていた様々な( 3 )を解放したものであると考えられる。そのため,メディアコミュニケーションは,単なる情報の伝達以外の目的にも利用される。
 たとえば,電話の利用形態も安否の確認,用件の利用目的からおしゃべりへと広がり,さらには( 4 )を共有するまで使われている。対面コミュニケーションでのコミュニティ形成と異なり,電話による( 5 )近隣は物理的に離れている人とのコミュニケーションが形成される。電話は( 6 )が要求されるため,( 7 )の制約の解放はなされていないが,その制約の解放を実現したのが,留守番電話である。しかし,留守番電話にメッセージを残すのが苦手な人も少なくない。これは,留守番電話は( 8 )が低く,利用者が( 9 )することに慣れていないせいであろう。携帯電話の出現によって,いつでも好きなところで電話をすることが可能になったが,1車の運転中の利用は事故を引き起こすという問題も生じている。
 CMCは,多様なコミュニケーション形態を提供でき,さらに様々な( 3 )が解放されている。時間を選ばず深夜でもコミュニケーションが可能である。また,自分が情報の( 10 )となることも,従来マスコミを利用する以外に手段がなかったが,CMCを利用することで可能となった。コンピュータを利用して会議を行うと,対面会議に比べて,2発言が均一になりやすい。総じて,情報送受信の( 11 )が低いことがCMCの特徴である。
 しかし,CMCでは問題も多い。NVCの欠如などによる誤解も発生しやすい。とくに,それが誹謗や中傷までに発展したものを( 12 )という。その原因のひとつとして考えられるのが( 13 )である。機械に対する親和性がそれを助長している。また,コンピュータ会議では,集団極化が生じやすい。Spears & Lea(1992)は,集団極化が生じる条件として,( 14 )と( 15 )の2つをあげている。
 身体的障害のために書字や会話が困難でも,( 16 )を利用することで,コミュニケーションが可能となる。これは,( 17 )制約の解放であると考えることができる。この利用は,心理学的観点からすると,3人に介護されるよりも優れている点がある。
 技術が障害者の援助になる場合があるが,実際に世の中にある製品の中には,障害者との間に障壁が存在し,その存在が使いにくいものもある。それを取り除く考えが( 18 )である。この考えは,4障害者だけではなく健常者の場合にも当てはまる。
 利用者の認知的側面を知ることがインタフェース改善につながる。記憶容量や処理時間に注目したモデルでインタフェースの問題をとらえたのは( 19 )らである。利用者の行動を3つのレベルで記述したのは( 20 )である。たとえば,まったくわからない場面に直面したときに,利用者は( 21 )ベースで行動を行う。利用者にとって必要な知識とは,( 22 )モデルによると,操作に必要な知識だけではなく,課題自体や機械のしくみなどの( 23 )知識が必要であると考えられる。また,( 24 )は,人間が機械を利用して成し遂げたい目標は心理的世界に存在し,機械との間には操作時だけではなく,機械からのメッセージがわからない場合のような( 25 )の淵も存在することを指摘している。その淵を埋めるために重要なのは,メンタルモデルの構築である。このような考え方を発展させると,5インタフェースの問題は人−機械の問題ではなく,人−機械−人の問題であると考えられる。


設問
  1. なぜそうなるのか,フレームの概念を用いて簡潔に説明しなさい。
  2. それはなぜか,簡潔に説明しなさい。
  3. それは何か,簡潔に述べなさい。
  4. どのように当てはまるのか,簡潔に説明しなさい。
  5. なぜそうなのか,メンタルモデルの概念を用いて簡潔に説明しなさい。