平成10年度第1学期試験 (科目  コミュニケーション概論 )  (担当  松尾太加志 )  持込可 60分

T. 次の各文は,授業で説明した事柄の記述である。その中に,下線部の記述が誤っているものがあるので,それを訂正しなさい。解答欄には,記述が正しいものに「○」を書き,記述が誤っているものに,訂正後の正しい記述を書きなさい。
  1. 幾人かに渡ったコミュニケーションにおいて,伝達内容が変化していくのは,人間の記憶力に限界があるためである。
  2. 相手の言葉を理解しようとするとき,頭の中に形成されるものは,スキーマである。
  3. 言語コミュニケーションにおける語用論的理解とは,言語の文法に関する理解をさす。
  4. まったく見知らぬ星の言語の発話データだけが100万語あったとする。これを,コンピュータによって自動翻訳することは,不可能である
  5. 安全欲求が高い人は,そうでない人に比べ,競争事態では目を合わせようとしない。
  6. 嘘をつこうとすると,それが身体的動作などとなってあらわれやすいのは,虚偽直後である。
  7. エクマンの分類によると,うなずきは,アダプターである。
  8. 一般的に,語尾をあげると発話交代を意味する。
  9. 対人距離をどう知覚するかは,物理的な距離だけで決まる。
  10. コミュニケーション相手が,TV電話などを通した存在ではなく,同じ場所にいるという手がかりを仮想現実という。
U. 次の各問に対し,それぞれ90字以内で答えなさい。
  1. Cantorらの実験では,提示されていない性格特性語でも,提示されたかのように被験者は回答したが,それはなぜか説明しなさい。
  2. Knowlesらの実験結果の図で,対数スケールをとっているのは,心理学的にどういう意味があるのか説明しなさい。
  3. 対人距離の問題をとらえる実験として,Middlemistらのトイレでの実験は,Ashtonらの実験などに比べどういう利点があるか述べなさい。
  4. 満員のエレベータでは,みんな目をそらそうとするのは,なぜか,説明しなさい。
  5. 対面と音声のみのコミュニケーションを比較すると,対面のほうが発話の乱れが多いのはなぜか説明しなさい。