平成11年度第1学期試験 (科目  コミュニケーション概論 )  (担当  松尾太加志 )  持込可 60分

T. 次の各文は,授業で説明した事柄の記述である。記述が正しいものは,「○」を書き,記述が誤っているものは,どこが誤りであり,正しくはどうあるべきかを書きなさい。
  1. 男性同士の場合と,女性同士の場合を比較すると,一般に男性同士のほうが対人距離は短くなる。
  2. 当惑的な話題について話をするときには,面と向かって話すよりも,衝立て越しのほうが発話量は少なくなる。
  3. 対人距離を長くとりすぎると,親密度の均衡を保つために,視線を向けないようにする。
  4. 親和欲求が低い人は,そうでない人に比べ,競争事態では,視線を向けない。
  5. 必ずしも,表情のほうが音声よりも感情を正しく伝えるとは言えない。
U. 次の各文にもっとも関連が深いと思われる用語を書きなさい。
  1. 外国人は,日本人のことを勤勉でまじめな人ばかりだと思っている。一方,日本人からみると,ラテン系の人は,みんな陽気な人ばかりだと思っている。
  2. コミュニケーションの過程において,理解をするために作られる仮説。
  3. 友人のKは,いつも,ゼミの発表するときには,シャープペンシルを手でくるくる回している。
  4. 一人暮らしのAさんは,帰宅すると,食事をしたり後片付けをしながら,いつも友人と電話で話をしている。まるで同じ部屋で過ごしているかのようである。
  5. Bさんは,マンションの同じフロアで近い所に住んでいるのだが,利用するエレベータが異なるので,ほとんど親しくない。
  6. 実験者が接近し,これ以上近づいて来てはいやだという被験者の合図があったときの距離を測定する。
  7. 電話をかけているときは,自分が物理的に存在している空間だけではなく,話し相手との対話空間を共有している。
  8. 相手に視線を向けることは,相手へ接近できるという気持ちがあると同時に,見られることへの恐怖を感じる。
  9. 手紙も留守番電話も,ともにオフラインであり,手紙では推敲することがあるが,留守番電話はそのような習慣がない。
  10. 言語理解にはことばの意味や文法に関する知識以外にも文脈などの理解が必要である。
V. 次の各問に対して90字以内で説明しなさい。
  1. 「わかる人にはわかる」とは,どのようなことか。
  2. 会話の含意の存在はどのようにして知るのか。
  3. まったく見知らぬ星の言語データだけからは,なぜ自動翻訳できないのか。
  4. Cohenの実験におけるカテゴリーベースの処理とは何か。
  5. 対人距離をグラフで表わすのに,対数スケールをとるのはなぜか。