平成17年度2学期試験 (科目  学習心理学 )  (担当  松尾太加志 )  持込不可 60分

T. 次の各文章にもっとも関連が深い用語及び人物を答えなさい。なお,人名は下記の人名群の中から選びなさい。(63点)
  1. 心理学が他の先進諸自然科学と同様の発展をするためには,その対象を客観的に観察可能な行動とし,その目的を行動の予測と統制としなければならない。
  2. 空腹の生活体が食べ物を食べると,それによって,飢えという動因が多少とも低下し減少するわけで,それが直前のS-R結合を強化すると考えた。
  3. シソの葉のからまった,いかにも酸っぱそうな梅干しを見ると,われわれ日本人はただそれだけで‘よだれ’を流してしまう。
  4. ミニ環境,ミニ世界の中で,環境条件をいろいろ操作して,それぞれの条件のもとで生ずる行動を記述することによって,行動の法則を明らかにしようとした。
  5. 同じ事態に対してなされるいくつかの反応のうち,直後に動物を満足させるものによって伴われる反応は,他の事柄が等しければ,その事態とより強固に結合されるようになる。
  6. われわれは,電車の駅に向かう目的をもっているとき,いつもの道が工事中なら別の道を選ぶ柔軟性をもっている。つまり決まっているのは目的であって,行動までは固定していない。
  7. 宙吊りにされているバナナを眺め,周囲を見回し,ある時突然,人間でいえば「ハハア,わかった!」という経験をしたかのように,箱を積んでバナナをとることに成功した。
  8. 「引く力」を生活体の側からいえば,目標対象に対する予期ということである。この予期が古典的条件づけによって形成され,道具的行動を動機づける力をもつ。
  9. ショックがなくてもCSによって喚起された恐怖に動機づけられてさまざまな行動を起こす。そして隣室に移動することによって,恐怖を喚起しているCSが終結するので,それに伴う恐怖の低減によって,この移動行動は強化される。

    【人名群】
     エビングハウス パブロフ ソーンダイク ケーラー ワトソン ガスリー ハル トールマン
     スペンス マウラー スキナー ガルシア セリックマン レスコーラ
U. 次の各設問に答えなさい。
  1. アルバート坊やの実験から汎化現象を説明しなさい。(13点)
  2. 潜在学習がなぜ強化説と矛盾するのか説明しなさい。(13点)
  3. 以下の図は,オペラント条件づけにおける強化スケジュールを表したものである。強化スケジュールがFR4の場合とFI10秒の場合,どこで強化されるのか図中に記しなさい。なお,いずれも時間0秒の時点での反応に強化されているものとする。(11点)