平成12年度第1学期試験 (科目  現代人のこころ )  (担当  松尾太加志 )  持込可 60分

T. 次の各文章に最も関連のある心理学の用語を解答欄に記入しなさい。
  1. 心理学が対象としている「心」は「ハート」や「ソウル」ではない。
  2. 部分よりも全体を重視した心理学の一学派。
  3. 外界世界を映した2次元的な網膜像から,導き出せる3次元世界は,ひとつではない。
  4. レモンを食べている様子を見ただけで唾液が出てしまう。
  5. たまたま入った喫茶店のケーキセットがおいしかったので,何度も行くようになった。
  6. トムが卵をあたためて孵化させたあひるの子は,ジェリーがどんなに違うと主張しても,トムを母親だと信じて疑わなかった。
  7. 記憶容量として7±2程度であると言われ,作業にも利用される。
  8. 記憶の実験で,多くの単語のリストが提示されると,多くの人は,記憶するために,分類して覚えようとする。
  9. 意図的な学習の場合よりも,偶発的なほうが成績がよいことがある。それは,これの違いである。
  10. 映画のあるシーンを見ただけで,登場人物の関係が理解できる。
  11. 水戸黄門のドラマは,決まりきった一連の系列で構成されている。
  12. 「風呂を見てこい」とロボットに頼んだ場合,人間に頼んだ場合と同様に行動をしてくれるだろうか。
U. 次の文章の( )内に入る用語を解答欄に書きなさい。


 注意の理論には3つの考え方がある。ひとつは( 1 )であり,注意は切り替えスイッチのようなもので切り替わるという考え方である。しかし,( 2 )と言われる現象があり,私たちは,ある事柄に注意を集中していても,必要な情報があるときには,そちらに選択的に注意を向けることができる。したがって,切替えスイッチではなく,注意の容量を分配しているという( 3 )の考え方が生れてくる。ところが,ある実験によると,注意を向ける割合が異なっても,同じ課題成績になったという結果が報告されている。ということは,情報が入ってくる以前には注意の制御がなされていないことになり,( 4 )という考え方が出てくる。ただし,この実験のタイプは,課題に対する努力がそのまま結果に反映される( 5 )ではなく,( 6 )だとも考えられ,実験の比較については,再検討が必要である。
 私たちは,音声情報については,音として聞いているのではなく( 7 )として聞いていることがわかっている。そのため,同じようにノイズが入っていても,正常文のほうが非文法文や( 8 )よりも,よく聞き取れている。つまり,情報の処理の流れを考えると,こういう情報が入ってきているのではないかという形での( 9 )処理がなされていると考えることができる。これは,人間の知覚が単に外界世界の( 10 )ではないことを物語るものである。

V. 次の各問に90字以内で答えなさい。
  1. 授業中に紹介した志村ケンのコントは,大きさの知覚において,人間の知覚の特性をうまく利用したものである。どのような特性を利用したのか。
  2. HydeとJenkisの実験では,なぜ,愉快度評定のほうが成績がよかったのか。
W. この授業を聞いて,あなたの心理学のイメージは,どのように変わりましたか。授業での内容を取上げて具体的に書きなさい。