コミュニケーション論ゼミ 2018/03/27 更新
学部で担当していたコミュニケーション論ゼミの紹介です
ゼミのテーマ(内容)
コミュニケーション論ゼミでは以下の内容を中心に行います。
・理解過程におけるメッセージ以外の情報の役割
スキーマ,スクリプト,手掛り情報,メンタルモデルなど
・対人コミュニケーションにおける社会的認知
スキーマ,原因帰属
・非言語コミュニケーションの役割
視線,表情,まばたき,対人距離
・メディアコミュニケーションにおける手掛りの役割
非言語手掛り,存在感,場面共有,フレーム
・機械とのコミュニケーション
メンタルモデル,マニュアルの役割,ヒューマンエラー
Q&A
コミュニケーション論ゼミについてのQ&Aです。他のゼミと事情が異なるところがありますので,注意してください。わからないところがあれば,担当教員の研究室を訪ねてください。
3年生のゼミ
- 「コミュニケーション論」とは,どのようなことをやるのかよくわかりません。
-
基本的には,「コミュニケーション論」の授業で話をしている内容だと考えて下さい。キーワードになるのが「わかる」ということです。コミュニケーションの本質は理解することです。その対象は,人であったり,環境世界であったり,機械や道具の人工物,文書や表示物など様々です。したがって,コミュニケーションはどのような分野でも関係しますので,ゼミでは幅広い内容を行っています。最後に講読文献一覧,ゼミ実験,卒論テーマの資料をつけていますので,それを見るとわかると思います。ただし,何をやっていいのかわからない人のための選択肢ではありません。
- ゼミではどのようなことをするのですか?
-
以下のようなスケジュールになります。
1学期:日本語文献購読,ゼミ実験・調査
2学期:ゼミ実験・調査(継続),英語文献購読,卒論テーマの決定
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
==日本語文献講読== =====英語文献講読===
==ゼミ実験・調査==========卒論テーマ決定・実施=
- 日本語文献講読とはどのようなことをするのですか?
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日本語の論文をこちらでいくつか用意しますので,その中から選んでもらいます。論文の内容をまとめたレジュメを作ってもらい,発表をしてもらいます。1回に一人の発表の予定ですが,人数によって変わってきます。
- ゼミ実験・調査とはどのようなことをするのですか?
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2年生の「心理学実験実習T」では,実験の方法,結果の処理のしかた,考察まですべてに渡って与えられた通りに行ってきましたが,3年生のゼミ実験では,どのような実験方法をとるのか,その結果をどう処理するのか,どう考察するのか,すべて学生自ら考えていくことになります。およそ,半年をかけて,ひとつの実験あるいは調査を行い,レポートとしてまとめます。3年生のゼミの中では一番大変な課題です。演習の時間以外にやらなければいけないことがたくさん出てきます。
実験・調査の内容の決定:テーマの候補を与えますので,1〜2グループで計画をします。
実験・調査方法の検討:刺激・装置・質問紙などを作り,何度も予備実験を行います。
実験・調査の実施:被験者を自分たちで募集し,実際に実験・調査を行います。
結果の処理:どのように処理をしたらいいのか考えて処理をします。
考察:関連文献を探してきて,実験・調査結果を考察します。
レポート作成:実験・調査で行なったことをまとめます。
発表:実験・調査で行ったことをプレゼンテーションを行います。
- 英語の文献なんて読むことができないような気がしますが,大丈夫でしょうか?
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大丈夫です。英語の文献は自分で読めそうなものを探してもらいます。たとえば,日本語の本の中で紹介されている実験などのオリジナルを読むようにすれば,大体の内容がわかって読めますから,誰でも読むことができます。わからないときは,質問に来てください。ゼミは,教員に個別指導を受ける場です。演習で発表するのは結果であって,演習の時間外に教員に指導を受けてこそ,ゼミに参加している価値があります。
発表の形式は日本語文献と同じです。
- コンピュータはできないといけないのでしょうか?
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いいえ。コミュニケーション論ゼミだから特別コンピュータができないといけないことは全くありません。ただし,コンピュータを使うことは,どのような分野を勉強するかに関わらず必要な知識となります。
- 機械に詳しくないといけないのでしょうか?
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いいえ。コミュニケーション論ゼミで扱う一分野に間違いはありませんが,それでも対象はあくまで人間です。人間が機械を利用する場面を対象にしているだけです。誤解しないようにしてください。
- このゼミに来ると,コンピュータができるようになるのでしょうか?
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コミュニケーション論ゼミだから特別にコンピュータを使うことが多いわけではありません。したがって,特に,このゼミでコンピュータが使えるようになるわけではありません。ただし,実験や講読文献でコンピュータに関わる内容のものが出てくることがありますので,コンピュータに関わることは,他のゼミよりも多いかもしれませんので,その点で利用促進になるかもしれません。
- ゼミを欠席するときは,連絡しないといけないと聞いたのですが。
-
はい。ゼミは皆勤が原則です。欠席する場合は必ず連絡をして下さい。4年生になっても同じです。
- これまで,ゼミの人数はどの程度だったのでしょうか?
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以下の通りです。
2016年度進級 3名 2015年度進級 6名 2014年度進級 6名
2013年度進級 4名 2012年度進級 6名 2011年度進級 7名
2010年度進級 5名 2009年度進級 7名 2008年度進級 4名
2007年度進級 7名 2006年度進級 7名 2005年度進級 6名
2004年度進級 7名 2003年度進級 6名 2002年度進級 8名
2001年度進級 7名 2000年度進級 9名 1999年度進級 11名
1998年度進級 8名 1997年度進級 9名 1996年度進級 8名
1995年度進級 8名
4年生のゼミ
- 卒論のテーマは自由に決めることができると聞いたのですが。
-
基本的にはそうです。ただし,自分で決めたことがそのままできるわけではありません。自分で考えているほど簡単には実験や調査はできません。実験や調査ができる形に修正してやっていくことになります。また,内容によっては,十分な指導ができないものもありますから,自分でやるという覚悟でやってもらう必要があります。その場合でも,実験や調査のやり方,論文の書き方などの基本的な部分での指導はできます。
- 卒論では実験や調査を必ずやらないといけないのでしょうか?
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必ずではありませんが,実験や調査を行なうのが原則です。これまでに,実験や調査をしないテーマで卒論を書いた人もいます。ただし,実験や調査を行なわないとデータがありませんから,かなり頑張らないとページが埋まりません。
- 卒論指導はどのようになされるのですか?
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2〜3週に1回の割合で,1〜1時間半個別指導をします。3年生の1月頃から4年生の1月まで,春休みも夏休みも関係なく行います。
- 卒論は全文チェックが入ると聞いたのですが。
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はい,そうです。人数が少ないうちはそうやっていきます。「コミュニケーション論」ゼミという看板を掲げている以上,他人が読んでわかる文書を書くということを,このゼミでは重要視しています。論文を書くための時間を十分にとる必要がありますので,他のゼミよりも実験や調査を早くやってもらうことになります。
- 卒論は12月中に書き上げないといけないと聞いたのですが。
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はい,そうです。事務への清書原稿の提出締切は,1月16日ですが,冬休み前に原稿を完成してもらい,最終チェックを冬休み中にします。1月は最終書き直しとなります。
- 4年生の演習の時間はどうなるのですか?
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1学期は,各自の卒論の内容を順番に発表してもらいます。いろんな意見を出してもらって,その中からアイデアをもらったり,批判をしてもらいながら,方向性を検討していきます。2学期は,各自の進捗状況を確認し,みんなで励ましあいます。
年間のスケジュールを,卒論の予定とあわせて,下に示しました。
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月
==卒論進捗の発表=== ====卒論進捗チェック=
==卒論指導=========中間発表会=提出=口頭試問
ゼミ実験・調査
- 2016 文章課題が時間評価に与える影響の検討
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2015 学習動機づけと友人との学習活動の関連性
Twitterの投稿における満足感と不快感について -
2014 衣服に関する意識調査
アイコンタクトに対する苦手意識と社会的外向性の関連 - 2013 LINEの既読機能とストレスに関する調査
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2012 志望動機,所属意識,満足度がイメージと実際の自分自身の差に及ぼす影響
色のもつ特性と図形のもつ特性の複合が印象に与える影響力について -
2011 出生順位が性格特性に及ぼす影響の研究
文字が与える印象についての調査 - 2010 現代における携帯メール依存とその特性について
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2009 自己愛と友人関係
集団における同調行動について - 2008 写真に色をつけた場合の印象の違い
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2007 結婚・非結婚目的別の恋人相手に求める選考要素の傾向
顔のパーツによる性別判断 - 2006 追従の動きに対して生き物らしさを感じる要因の一対比較による分析(昼間主)学会発表原稿
- 2005 顔を隠蔽した場合の対人距離(昼間主)
- 2004 被写体の個人要因が写真撮影時の表情にどのような影響を与えるか(昼間主)
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2003 課題のエラー発生率情報が外的手がかりの利用動因に与える影響(昼間主)
Fittsの法則のマウス操作による検討(夜間主) -
2002 不安全行動の質問紙と日常のリスクテイキング行動との関連
不安全行動の質問紙と実験場面におけるリスクテイキング行動との関連 - 2001 にらめっこにおける対人距離の影響〜映像を使った実験〜
- 2000 プレゼンテーションに関する実験 実験結果一部公開
- 1999 自己像の提示によって映像上の対人距離は変化するか?
- 1998 会話による割り込みが作業課題に及ぼす影響
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1997 気持ちの伝わるコミュニケーションのための非言語的な感情表現について
“またぎ”と“くぐり”のアフォーダンス知覚 - 1996 映像の大きさ,観察距離,観察方向における心理的効果
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1995 コンピュータコミュニケーションにおけるノンバーバルコミュニケーションの役割